観に来て頂きありがとうございます。
今回のおすすめの美術館は埼玉県 東松山市にある丸山美術館です。
こんなところにあるの?と思うくらい、
細い小道を入ったところに、ひっそりと佇むんでいます。
入館料は大人900円
駐車場も無料でありますし、
チラシやサイトを掲示すると100円引きになりますからコスパは非常に良いです。
生涯行った美術館の中で、記憶に残る美術館をいくつか選ぶとしたら、おそらく僕はここを挙げます。
ちょっと特異的なところですが、行く価値あります。
ここはいつもの心地よい、ひと時を味わう美術館とは少し違います。
原爆の美術館です。
だからここは
決して楽しい場所ではありません。
だけど
1度立ち止まって、この世界の出来事や正しい人の在り方について考えてみるってのも
長い人生のたった数時間だけ、そんなことに思いふけるのはとても価値があるんじゃないだろうかと思うんです。
もし戦争に対して琴線が触れない方は、ここから読み進めなくて結構です。
読む人によっては、不快になるかもしれませんから。
ここは日本人なら
いや人間なら必ず訪れなくては行けない場所だと僕は感じました。
実際に足を運んでご覧になってください。
戦争について、世界で今起こっている事は現実なんだと、肌で感じることができますよ。
「戦争はいけないこと」という当たり前で当たり前でないこと
この概念を僕は小学生のときに、社会科の先生に教えて頂きました。
道徳の時間に、
『具合が悪くなったらいつでも外に出て構わないよ』
そう言って、よく戦争のビデオをみせてくれる先生でした。
小5の僕には衝撃的すぎて、今でも記憶に残っています。
この授業は僕にとって、人格を形成する上でとても重要な時間だったと、数十年たった今でもこの先生に感謝しています。
はだしのゲンや火垂るの墓などで、イメージは出来ていました。
ですがアニメや漫画などで戦争を語るのは、分かりやすい入りやすい反面、戦争を少し軽いものにしてしまう。
子供達にはこのくらいが、入りやすくて丁度良いのかも知れない
だけど大人になってから、改めてこの世界で起こっている戦争という出来事を、僕らは本当の意味で感じることが出来ているでしょうか?
僕には正直な話、出来ていませんでした。
完全に感度のアンテナが平和ボケして、ひん曲がってました。
頭の中が不感症でしたね。
ここに来て、
頭の中の空想と現実の間にギャップができてしまっていることに気付く事が出来ました。
昔見た、裸の子供がブルブルと震え怯えてるモノクロの映像を今でも覚えています。
裸の少女が泣きながら爆撃から逃げている写真も
飛行機から爆弾を次々に落としている映像も。
そんな現実を過去の話、遠い国の話と、いつの間にか何処かに置き去りにしてしまってたなと気づかされました。
ベトナム戦争の爆撃から、泣きながら逃げ惑う少女。
これはピューリッツァー賞を受賞した有名な写真です。
その彼女は重度の火傷を負いながらも今お元気で家族とカナダで暮らしているそうです。
ユネスコの親善大使でもあるんだとか。
その話を聞いて、なんだか少しほっとしました。
【過去の話と忘れ去られないために、僕たちに出来ること】
階段を登り、展示されている部屋に入るとき、ちょっと怖かった。
心して入らないといけないような、ピリッと張り詰めた空気、そして願いが込められている重厚な絵画。
そこには、静寂と現実に起こった世界が、嘘偽りなく広がっています。
広島、長崎に落とされた原爆だけではなく、終盤に差し掛かるとチェルノブイリ・アウシュビッツ・南京大虐殺、韓国や中国人への人種差別など。
世界の出来事と日本人としての振る舞い方にも焦点が当てられます。
人間としてどういった振る舞いが正しいのか。
最後はそんな深い部分まで考えさせてもらえる展示の仕方で、とても濃厚な時間を体験することが出来ました。
退館してから暫くの間、僕は良い言葉が思いつかなかった。
感想を言葉にしてしまうと、今観てきたものを陳腐なものに変えてしまうような気がして。
一枚一枚の絵の感じ方は人それぞれだと思うので、あえて紹介するのはやめておきます。
ここで僕が多くを語るより、実際にあなたの審美眼で、過去の現実を踏まえて現在を。
そして未来を想像する事で、少しずれた調律を合わせてみると、世界はきっと美しくなります。
実際にその場で、あなたの全身全霊で感じてみてください。
大切で貴重な1日になる事は間違いありませんから。
最後に
僕の心に強く響いた言葉。
『屍にまで差別を受けた韓国人、朝鮮人。屍にまで差別をした日本人。』
爆撃のあと、いつまでも韓国や朝鮮人の方の死体は、埋葬されることなく残っていたそうです。
また
防空壕に入れられていた米兵や女性の捕虜を、ほっておいても餓死をしてしまうその前に、日本人が虐殺していたという現実
なんかガツン!と頭叩かれた感じがして。
被害者でもあると同時に加害者でもあるということ。
人間は都合の良い解釈をするように頭が出来ています。
日本人は美談が大好きです。
僕だってそうです。
ワールドカップの試合後に、ゴミを拾って帰る日本人って話とか大好物です。
それに、神風特攻隊の話。百田尚樹の『永遠の0』の宮部さんなんて、僕の中ではヒーローです。
美談ばかりがもてはやされ、都合の悪いことは忘れてしまう。
綺麗ごと抜きにして、もし大事な人が殺されたとしたら、僕はどう行動していただろう。
当時僕が生きていたとして、大衆に流されず信念を貫くことが出来ただろうか。
久しぶりに胸が熱くなりました。
なんか暗くなってしまいましたね
前向きな話をしましょう!
ドラえもんがこんな事を言ってましたよ
『どっちも自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ』と
みんなが自分の正しいとする価値観を大事にしていて、それが良いとか悪いとか他人がとやかくいうことではない。
しかし認め合い、非暴力で相手を理解する努力をして、
対話の中で自分の信念を貫く。
お互いに妥協するでは無く
その先のもっと新しい、もっと素敵な考え方を一緒に築いていく。
それが僕が思う格好いい生き方、なりたい自分の姿だなと改めて考えさせてもらえる時間でした。
戦争を後世に伝える。
未来を明るくするために!
そんな素敵な場所へあなたも足を運んでみませんか。
是非行ってほしいな。
他者との心のチューニングが合わせられますよ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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