今回ご紹介する画家は横尾忠則さん
この方は60年以上も絵を描いている
アート界のレジェンドです。
今回の展覧会は
2021年1月~4月を愛知、
7月~10月を東京、
そして12月から1月に大分を巡回する。
横尾さん自身が総監修し、
前回の愛知の展覧会から500点以上の作品を入れ替えたという
60年の歴史の中で、今回の数百点の絵画達がほんの一部であるって、
一体どれだけ描いてきたのか驚きです。
今回の展覧会は最大規模、
正に横尾忠則の集大成とも言えます。
【横尾忠則ってどんな人?】
横尾さんのことを知らない方に紹介するときに、
『水曜日のダウンタウン』のイントロで出てくる絵を描いてる人だよって言えば
記憶にある人も多いはず。
番組のアートディレクションを担当しているそうです。
横尾さんのことを知らずにあの番組を観ていた僕でさえ、
『あ〜、あれか!』って記憶にあるのだから
やっぱりインパクトのある絵ですよね。
現在85歳
目も悪くなり、耳もほとんど聞こえなくなってきました。
腱鞘炎など身体の不調も多くなった。
それでも描き続ける
逆に不自由になってからアートが始まったと言います。
「衰えてハンディがふえると、絵画が自由になっていく」と語る。
ハンディを武器に変える思考の転換・発想にまた一人、尊敬する賢人に出会えたという喜びで嬉しくなります。
【東京都現代美術館の愉しみ方】
今回の東京の舞台は『東京都現代美術館』
建物の作りがお洒落で、とっても落ち着く空間なんです。
建築設計は、新国立劇場や東京オペラシティを手がけた柳澤孝彦氏。
2019年3月にリニューアルオープンしました。
ここは僕が一番好きな美術館
隣には木場公園という大きな公園が隣接し、自然とアートと建築美をまるっと1日愉しめます。
公園内にはカフェもあり、本を一冊もってのんびり過ごすのも愉しいかも
【GENKYOU〜原郷から幻境へ、そして現況は?〜のみどころ】
この展覧会の素晴らしい点は、正に横尾忠則の全てが詰まっているところです。
代表的な絵画たち
・『ターザン』を題材にした絵画
初めて観た映画が『ターザン』だった。
この野生のヒーローは横尾さんの絵の原郷
・横尾忠則といえば誰もが思いつくのは、『Y字路』
今までに描いた『Y路地』の数は、およそ150点ほど
その中からの選りすぐりが、一部屋まるっと展示
・好みの分かれる絵画。口をパッカーンと開けた女性の『ピンク・ガールズ』
・圧巻の滝のインスタレーション
・溺愛していた愛猫のレクイエム
そして最後の部屋では、最新の絵画達が並びます。
『寒山拾得(かんざんじっとく)』は遊び心満載で、まだまだやってくれるな横尾さん!とニヤけてしまいます。
寒山拾得とは中国唐の時代の寒山と拾得という二人の僧侶のこと、彼らの自由な振る舞いに魅せられた横尾氏。
これにマルセル・デュシャンの『泉』トイレアート
が合わさった新作
・横尾さんの作品の中で、最も古い作品
それは5歳の時に描いた絵、『宮本武蔵』の絵本の挿絵を描き写した作品上手でした!
色んなジャンルの絵画が並んでるので、
連れと何が好みか話すのも、趣味嗜好が知れて愉しい時間になることでしょう。
僕の一番好きな絵画は『TADANORI YOKOO』です!
【横尾忠則おもしろエピソード】
横尾忠則さんの面白いエピソードを2つご紹介します。
人脈の広さと思考の力強さが伺えるエピソードです。
【坂本龍一のいるYMOに入るはずだった!】
YMOとは(イエロー・マジック・オーケストラ)
1980年代に細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏で結成されたテクノバンド。
坂本龍一といえば『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』でアカデミー賞も取った世界の坂本!
高橋幸宏といえば
『サディステイック・ミカ・バンド』
僕の年代からすると
再結成して木村カエラさんが入った事で好感を受けました。
YouTube「タイムマシンにおねがい」(1974年) 歌/演奏:サディスティック・ミカ・バンド( Sadistic Mica Band) Gt.加藤和彦、Gt.高中正義、Ba.小原礼、Dr.高橋幸宏、Vo.木村カエラ、Guest 奥田民生
細野さんいわく
「音楽のメンバーではなく、第4のメンバーとして横尾さんが入れば色んな事ができる」
そう思ったそうで、
当時流行した「テクノカット」という
刈上げ、もみあげなしの奇抜な髪型を
横尾さんもして、タキシードも作り、
あとは記事会見を待つだけの状態までいった
だけど記者会見の当日
締め切り間際の仕事を抱えてた横尾さんは、結局記者会見に間に合わなかった
そこで「もうやめ!」って思ったそうです(笑)
これって凄いことですよね、
この人生の選択で、横尾さんの運命が変わっていたかもしれない
一方のYMOも
横尾忠則から高橋幸宏というアートからポップでお洒落な路線に変わり、歴史に残る偉大なグループになった。
凄い運命の分かれ道ですよね。
YMOの横尾さんも是非見たかったですけどね!
【横尾忠則 ピカソに触発され 画家宣言】
ピカソとの出会い
ニューヨーク近代美術館で観た『ピカソ展』
そこで大きな衝撃を受ける。
本人いわく
「まるで豚がハムの加工商品になって工場の出口から出てくるように僕は『画家』になっていた」という
これがグラフィックデザイナーから画家への転身した出来事
これを世間では
『画家宣言』と呼ばれています。
【次の巡回は大分!GENKYOU 横尾忠則】〜原郷から幻境へ、そして現況は?〜】
ここまで見て頂きありがとうございました。
次は最終終着地の大分
どんな面白い展示になるのか
お近くの方はもう行くしかない!
歴史的なレジェンド横尾忠則の絵画達を観に行きませんか?